指揮者としてだけでなく人間として素晴らしい
フルトヴェングラーの指揮するベートーベンの第5交響曲を聴いて以来、たいしてクラシックに興味の無かった私が豹変。最近ではクラシックのCDばかり買うようになった。だいたい器楽演奏を聞いて泣く感性なんてカケラも持ち合わせていないはずの私が、彼の指揮するベートーベンだけはどうしても目頭が熱くなってしまう。楽団員を戸惑わせることもあったと言うことで「振ると面食らう(フルトヴェングラー)」なんてシャレもあるぐらい独特の指揮棒の振り方をするとの事。 今回、初めてこのDVDで彼が指揮する姿を見ることができた。 機械的にタクトでリズムを取るのではなく、何か音楽的霊感を楽団員との間でやり取りしているようだ。テルミンの演奏者をちょっと思い出したり。彼は何か「気」のような波長を送ることができたのではないかと思ったりもする。指揮するだけでなく、タクトを通して音楽を「受信」していたのではと言われたりもするフルトヴェングラー。 もっと凄い話になると、彼が指揮台に上がらずとも、他の指揮者の演奏に彼が顔を見せるだけでオーケストラの音が変わってしまったという。 現在、残念ながら入手は困難のようだが、機会があればこのDVDは観ていただきたいと思う。
永遠のフルトヴェングラー
フルトヴェングラーの死後,50年が経つが,今なお巨星としての輝きを失っていない。このDVDは,フルトヴェングラーの演奏風景,エリザベート婦人やディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ,ユーディ・メニューインをはじめとするフルトヴェングラーと同じ時を過ごした人たちのインタビューで構成されたものである。 演奏風景の中では,やはりカギ十字を正面に据えてのニュルンベルクのマイスタージンガー前奏曲が異彩を放つ。こういった映像を見ると,ナチスという巨大な荒波に呑み込まれ,戦後しばらく不遇を囲わざるを得なかったフルトヴェングラーの境遇に胸が痛むと同時に,人間の狂気さえ感じる。このDVDで聴かれるマイスタージンガー前奏曲といったら,流麗,華麗なカラヤンやテンシュテットのそれと全く異質で,「行進」している。 先年惜しくも亡くなったシノーポリの演奏とインタビューも収録されており,こちらも胸を打つ。 DVD2枚組で,1枚は演奏&インタビュー,もう1枚はエリザベート婦人等のインタビュー。 ただ,21トラック中,フルトヴェングラーの演奏が見られるのはわずか7つで,若干物足りなさが残る。まあフルトヴェングラーが動いているだけで感動ものなのは間違いないのだけれど...
ニホンモニター・ドリームライフ
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