日本史から見た日本人 古代編―「日本らしさ」の源流 (祥伝社黄金文庫)



日本史から見た日本人 古代編―「日本らしさ」の源流 (祥伝社黄金文庫)
日本史から見た日本人 古代編―「日本らしさ」の源流 (祥伝社黄金文庫)

ジャンル:歴史,日本史,西洋史,世界史
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歴史の授業では教えてくれなかったこと

私が受けてきた歴史教育は、客観的事実の羅列に終始してしまった感が強い。例えば、鎌倉幕府成立が1192年と言うことを暗記させられても、その頃に起こった日本人の内面の変化と、それがもたらしたものについては触れないのである。しかし、そう言ったことも歴史上の重要な出来事であろう。

また、第二次大戦を境にして歴史の断絶があり、今日の我々は過去の人たちと全く異なった価値観を有しているような印象を持たせてしまう教育だったようにも思う。しかし、聖徳太子の時代から、他国の長所を素直に認めつつ日本独自の文化も育ててきたのであり、また単なる掟ではない憲法も作っていたのである。これらのことからは、日本と言う国の連続性に思いが至る。

本書は、それ以外にも様々な点で新たな視点を提示してくれるので、読めば誰もが日本の歴史を自分の中で再解釈したくなるのではないかと思う。
日本人が国際社会に誇るべきもの

英国で暮らすうち『エホバの証人』の訪問を断るのに「私はジャパニーズ・シントーイストですから(ほんとは大方の日本人と同じくカミと仏とごっちゃの山本七平の所謂『日本教徒』であるが)」といっていたら、「シントーとはどういうものか」と聞き返され、説明しようとするうちに初めて真剣に日本人と神道、そして天皇について考えるようになった。

まず、日本では神様は八百万、つまり森羅万象に宿るものであり、中でも一番偉いのは天照という太陽神、女のカミである。日本研究した外国人は例外なく左翼歴史書で勉強しているので「日本は『男尊女卑』の遅れた封建社会の国」と信じているが、本書にあるように万葉の時代から和歌の前には男女貴賎の差別なく、平安文学の綺羅星の如き女流作家の活躍、北条政子に始まる「武家の女」「日本の母」という男に一目置かれる女の典型をとってみても、それが見当違いであることが判る。

さらに、絶対唯一の創造主が世界と人間を「作った」というキリスト教に対し、日本の神話では人間は男と女の二柱のカミの交接から生まれた。即ち日本人は皆カミの子であり、天皇家は日本人皆の本家である。本家は分家の上に立って家全体の発展に努力する義務があるのであって、分家を搾取する為にあるのではないことは日本人の常識だ。
天皇家を「搾取者」と断じて廃絶を叫んだ共産主義者の煽動に、常識ある日本の庶民は乗せられなかった。

日本には世界一の東大寺や世界最古(770年)の印刷物「百萬塔陀羅尼」、聖徳太子の『三経義疏』など世界に誇れるものが数多くあるが、神武天皇の「八紘一宇」、即ち「世界は一家、人類は皆兄弟」という思想を国体の礎として持っているという事実、そして他国の文化を拒絶するのでなくその良いところを栄養として吸収していくという伝統は、国際紛争の世紀にこそ日本人が誇るべき最たるものではないだろうか。

日本人に生まれたことの歓び - 是非とも読んでください!

こんなに知的で平易で、優しくしかも痛快な文章が書ける人は滅多にいないと思う。とにかく日本古代史に興味のある方は是非とも読んでください。「お勧め!」を通り越してこれはもうお願いです。

「北条泰時ぐらい常識円満にして思慮に富み、思いやりがあり、しかも果断で誠実な日本人は少ない。つまり彼は、理想的な日本男子なのである。そうして、この本物の日本男子は、西洋人から見ると気違いに見えることは、実に面白いことではないだろうか」

僕はたとえ西洋人に訝られようとも本物の日本男子に憧れるし、この精神を世界中の人々に理解して貰えるよう努力しようと思う。
歴史の連続性

 著者は、最初に日本の国体の連続性を説く。この本を読み始めたとき、国体なる言葉の意味も解らなかったが、読み進めていくうちに少しずつ感覚的に解ってきていることに気づいた。歴史感覚とはこんな感じなのだろうか。

 尚、本書で繰り返し述べられている国体なる意味を詳しく知りたい方は里見岸雄の『天皇とは何か』を薦める。憲法・歴史・国体をこれほど精密に論じている本は無いと断言できる。読んで損はしない本である。
歴史と誇り

 この本で著者は、神話から始まる国史を世界史の視点で述べている。皇国史観と批判する向きも在ろうが、この本に其れは当てはまらない。この本を読むと、世界中の神話がそれぞれ共通点を持っている事、古代王朝では神話と歴史が連続している事、そして日本では未だに古代からの繋がりが絶たれていない事が読み易い語り口調で書かれている。2日位で読める本であり、一読をお勧めしたい。
 



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